少し前の話ですが、2月になって母校のHAL大阪で学生たちの作品を視聴する機会がありました。
学生の作品聞いて回った感想。
— あべし@冬休みアレンジ祭運営中 (@nikkyo0627) February 2, 2018
楽曲:映像やイラストに対してつけた曲が多かったけど、良く言えば丁寧、悪く言えば別にその曲じゃなくてもいいぐらい丸い曲が多かった印象。作れるジャンルは広めだった。
MA:素材は面白い音がちょくちょく有った。聴かせ方と抑揚があれば尚良しの惜しいのもチラホラ。
学生たちの作品を見て感じた魅力は
個性的な音、若い感覚の音色やリズム
これは強い魅力です。いつも新鮮な気分にさせられます。
職業作曲家やエンジニアを志望する際に、その若々しさはもちろん武器になります。
今回も魅力や可能性を 秘めた 作品を多く見かけました。
こ れ は い け な い
なぜか
つまり、魅力を全て伝えきれてない状態の作品が多かった印象です。
いや、多少隠れてる方が良いものもあるけど…あるけども!違う、そうじゃない
今回お伝えするのは
少しの脳科学と、元からある魅力を引っ張り出す方法です。
元は出来ているのに…
魅力を全て伝えきれていない作品相手に

「この曲はどういった世界観を表現したいんだろう?」
という印象を与えてしまう
えっ
・「本当はここまで出来ているのに!」
・「イメージはもっと壮大なのに!」
・「もっと繊細な表現してるのに!」
などなど、見て欲しい部分が伝わっていない、勿体無い状態で評価されてはたまったもんじゃないですよね?
作品や曲が出来ているということは…
何かしらの強いイメージやメッセージが自分で作れているはずです。
そこに個性も眠っているはずです…
それらを引き出す手がかりになればと思い、以下に個人的な対策を書いていきたいと思います。
表現力=伝える力
A「たまたま入った店で食べたやつがめっちゃ美味かった!」 B「どう美味かった?」 A「……もぅバリヤバイ」 B「へー…」
もしこんな食レポ放送があったら、きっと1回限りの貴重な放送になるでしょう。2回めは無さそうです。
どう美味しいのか、結局何を食べたのか
気になりますよね。
何かを伝えようとして必ず必要になるのが「表現方法」です。
「こう伝えたらこう感じる」は会話でもイラストでも音楽でも絶対に存在します。例えば
- ヨレヨレの一本線よりまっすぐシャッと引いた線の方が「固い」「鋭い」と感じます
- 同じ音でも、リコーダーの「ラ」よりトランペットの「ラ」の方が「勇敢」に感じます
- 輪郭線がボヤけていると「柔らかい・優しい」と感じます
- 音のアタックが遅いと「柔らかい・優しい」と感じます
と、表現方法は多種多様です。
そこからどう選んでいくのか、どこまで強調するかなどがクリエイターの味が出る所だと思います。
その作品はイメージ通りの音、本当にできていますか?
プロの仕事は「明確にイメージを伝える」こと
食レポもイラストも音楽も映像も
プロであれば意識すべき大事な要素が一つあります。
それは 相手に明確にイメージを伝える事 です。
ここでプロとアマの大きな違いが出てくると思います。
これは間違いでは無いです。ですが正解でもありません。
- どういう状況の戦闘曲?
- キャラクター視点?敵視点?
- 世界観は?文化は?
その他表現したい要素、伝えたいことによって作るべき物、音、印象は変わってくるはずです。
そしてそれらを相手が汲み取れる形にまで解釈する力
それが「表現力」です
今一度見直してみて、もっとふさわしい要素を付け足したりしてみましょう。
脳は都合よく解釈するもの
少し脳科学のような話になってきますが
脳は予想やイメージに基づいて予測、判断しちゃうものです。
例えば
- 人間は目が合えば「何か用があるのか?」と無意識に気を向けちゃいます。
- 鏡で見ている自分の顔は、実は「普段の顔」ではなく「鏡を見る時の顔」になってます。
- 多少文字が抜けてたり間違った文章も自然と意味を補強して読めます。
それぐらい脳は都合よく解釈するそうです。
曖昧な情報に対して今までの経験や考え方から予想します。
これが恐ろしい勘違いを生み出すことがあるのです…
自分編:「伝わっているだろう現象」
自分の作ったものは、作った直後はどうしても良く映るものです。
「俺天才かよ…」と素で思う時も多いです。
よくある話で、
あれです。辛いですよね、これ
でもそれって脳があなたを騙してるからなんです。
どう騙しているのか
「イメージ通りの物が作れている」という罠です
これが「気になる部分を気にならなくする」という状態異常を起こします。
なぜこんな話をするのかというと
という事を僕自身も学生の頃にも経験しました。
つまり
視聴者に伝えたい要素がまだ足りてないのに、
「この曲はこういう曲だ」という事が自分でしかわからない状態にしてしまっているんです
これでは作品の魅力が伝わりきらない…
相手編:「期待、予想したものと違うものが出てくる。」
「この雰囲気(世界観)ならこう言う物が出てくるだろう」
というイメージや予想は誰しもが想像するものです。
例えば「草原」と言うワードを聞けば「緑」「自然」「穏やか」「広い」「風」「開放感」など色々連想するかと思います。
洋食屋だったらハンバーグやステーキ、スープなど「イメージに合ったもの」を作れて当たり前と感じるところがあると思います。
ところが、それらを期待していた時に「味噌汁」や「鯖の塩焼き」が出てきた時
きっと「あれ?」と感じると思います。
意図的にギャップのある印象や演出であるならば面白いかもしれませんが
最後に
これらは僕自身も今尚学び続けている事ですし、やった事ないジャンルや形式にチャレンジする時にも必要な事だと思っています。
最早この記事が自分への戒めになりそうです(苦笑)。
僕自身も精進していきますヾ(:3ノシヾ)ノシ みなさんの良い制作ライフの手助けになれれば幸いです。
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